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    再エネ電力の調達方法|非化石証書の仕組みと「実質再エネ」の考え方

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    再エネ電力の調達方法|非化石証書の仕組みと「実質再エネ」の考え方

    再エネ(再生可能エネルギー)電力の調達は、電気料金の単価だけで判断できるものではありません。同じ電気を使っていても、その電気が「再エネ由来」として扱われるかどうかは、調達の方法によって変わります。

    その違いを理解するうえで鍵になるのが、非化石証書という仕組みです。電気そのものの価値と、発電時にCO2を排出しないという環境価値を分けて取引する考え方であり、2018年度から市場での取引が始まりました。

    この記事では、非化石証書の役割と、「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」という2つの表示の違い、出光CO2フリー電力で調達する場合の対象施設と供給エリアを紹介します。

    この記事でわかること

    • 再エネ電力の調達が検討される背景
    • 非化石証書の役割と、再エネ指定という区分
    • 「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」の違い
    • 出光CO2フリー電力の対象施設と供給エリア
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    再エネ電力の調達が検討される背景

    再エネ電力の調達が注目されるのは、電気のCO2排出量が使用量だけでなく、調達する電力の種類によっても変わるためです。まず、電気と環境価値がどのように扱われているのかを押さえておきましょう。

    発電所でつくられた電気が電力系統で混ざって届く一方、非化石証書によって環境価値だけを取り出して調達できることを対比した図

    電力のCO2排出量は調達の方法で変わる

    電気のCO2排出量は、その電気の発電時にどれだけCO2が排出されたかによって決まります。太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーによる発電は、発電時にCO2を排出しません。

    工場や事業所で使う電力を再エネ由来のものに切り替えられれば、使用する電力量そのものを減らさなくても、算定される排出量を下げられます。設備の更新や運用の見直しとは別に、電力の調達方法を見直すことで排出量の削減につなげることが可能です。

    発電された電気と、その価値は別々に取引されている

    電力系統は、発電された電気をまとめて送り届ける仕組みです。再エネで発電された電気も、火力発電による電気も、区別なく混ざった状態で需要家のもとへ届きます。そのため、需要家に届く電気そのものからは、再エネ由来かどうかを判別できません。

    「再エネで発電された電気を使っている」と示すには、電気とは別に、その環境価値を取り出して調達する仕組みが必要になります。これを担うのが非化石証書です。

    非化石証書とは何か

    非化石証書は、化石燃料を使わずに発電されたことによる環境価値を、証書として取引できるようにしたものです。仕組みの要点を整理します。

    非化石電源で発電された電気のうち、電気そのものと環境価値が分かれ、環境価値が非化石証書として取引される流れを示した図

    電気の価値と環境価値を分けて取引する

    非化石電源で電気がつくられると、その電気は通常の電力市場や相対契約で売られます。一方で、その電気が持つ「化石燃料を使わずに発電された」という価値は、非化石価値として切り出され、非化石証書として取引されます。

    証書を購入した小売電気事業者は、非化石電源の比率目標の達成に利用できるほか、販売する電気のCO2排出量が少ないものとして扱われます。需要家にとっては、こうした証書が組み合わされた電力プランを選ぶことが、再エネ電力を調達する方法のひとつになります。

    再エネ指定という区分

    非化石電源には、太陽光や風力などの再生可能エネルギーだけでなく、原子力なども含まれます。そこで非化石証書には、再生可能エネルギー由来であることを示す「再エネ指定」という区分が設けられています。

    出光CO2フリー電力の電力プランでは、この再エネ指定の非化石証書を使うことを前提にしています。再エネ由来の電力として示せるかどうかは、証書の区分によって変わる点を押さえておきましょう。

    非化石価値取引市場での取引

    非化石価値の取引は、日本卸電力取引所(JEPX)が運営する非化石価値取引市場で行われています。取引の枠組みは2018年度から始まり、年度ごとに取引のスケジュールが公開されています。

    (出典:資源エネルギー庁「2018年5月から始まる『非化石証書』で、CO2フリーの電気の購入も可能に?」/日本卸電力取引所「非化石価値取引 取引概要」)

    調達方法を選ぶときに見る2つの表示

    再エネ電力のプランを比較するときは、電気料金とあわせて、そのプランが「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」のどちらで表示されるかを確認しましょう。この違いは、電源構成によって生じます。

    「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」はともに再エネ指定の非化石証書を使用し、前者は再エネ電源のみ、後者は再エネ以外の電源も含むという違いを示した比較図

    「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」

    再生可能エネルギー指定の非化石証書を使用した電力プランのうち、電源構成がすべて再生可能エネルギー電気(固定価格買取制度によるFIT電気を含む)である場合は「再生可能エネルギー」と表記されます。電源構成に再生可能エネルギー電気以外が含まれる場合は「実質再生可能エネルギー」と表記されます。

    どちらも再エネ指定の非化石証書を使っている点は同じで、電源構成の内訳によって表示が分かれます。自社の報告や開示でどちらの表示が必要かをあらかじめ確認しておくと、プランを選びやすくなります。

    表示 使用する非化石証書 電源構成
    再生可能エネルギー 再生可能エネルギー指定 すべて再生可能エネルギー電気(FIT電気を含む)
    実質再生可能エネルギー 再生可能エネルギー指定 再生可能エネルギー電気以外を含む

    FIT電気の扱い

    FIT制度は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。買い取る費用の原資は、電気を利用するすべての皆さまから集めた再生可能エネルギー発電促進賦課金で賄われています。

    FIT電気の排出量は、火力発電などを含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われます。そのため、再エネ由来として示すには、非化石証書を組み合わせる必要があります。

    証明書で説明できるようにする

    出光CO2フリー電力では、『再生可能エネルギー100%電力供給証明書』を発行しています。調達した電力に環境価値が付与されていることを、書面で示せます。

    調達する電力の環境価値を、社外に説明できる形で証明できるかどうかが、報告や開示の場面で重要になります。環境報告や取引先への説明に使用する場合は、証明書の発行有無も選定条件に含めておくとよいでしょう。

    出光CO2フリー電力で調達する場合

    出光CO2フリー電力は、出光興産の特別高圧・高圧向けプランです。どのような施設が対象になるのかを整理します。

    高圧と特別高圧の契約電力と供給電圧の目安、および出光CO2フリー電力のプランの特徴を整理した図

    対象となる施設と電圧の区分

    受電する電圧によって、高圧と特別高圧に分かれます。高圧は、直流では750V超7,000V以下、交流では600V超7,000V以下で、供給電圧が6kV以上の電力です。主にオフィス、学校、病院などの契約電力50kW超2,000kW未満の施設で利用されています。

    特別高圧は電圧が7,000V超で、供給電圧は20kV以上(一部例外があります)です。主に大規模な工場や大型オフィスビルなど、契約電力2,000kW以上の施設で利用されています。まずは、自社の契約電力がどちらに該当するかを確認しましょう。

    プランの特徴

    料金面では、出光興産の燃料費調整に市場価格調整項を含まない点が特徴です。市場価格調整項がある料金体系と比べて、電気料金の変動幅を抑制できます。自社で発電所を保有する出光興産の供給体制も、安定した電力供給を重視する施設にとって判断材料のひとつになります。

    用意されているのは、全国各地の再生可能エネルギー電源を活用した2つのCO2フリー電力プランです。中小規模施設を中心に全国のお客様へ電気を届けてきた供給実績があり、脱炭素のニーズに合わせてプランを提案する体制が取られています。

    供給エリアと切り替えの条件

    出光でんきの供給エリアであれば切り替えが可能です。沖縄電力エリアおよび離島は供給対象外のため、複数拠点で導入する場合は各拠点の所在地を確認しておく必要があります。

    調達とあわせて検討したいこと

    再エネ電力の調達だけで、脱炭素の取り組みが完結するわけではありません。目的を整理したうえで、他の対策と組み合わせて検討しましょう。

    何を「再エネ」として報告するかを先に決める

    プランを選ぶ前に、自社が再エネとして示したい範囲を決めておきます。「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」のどちらの表示が必要か、証明書をどの場面で使うのかを整理しておくと、選定の条件が明確になります。

    使用量そのものを減らす対策と組み合わせる

    調達する電力を切り替える対策と、使用する電力量を減らす対策は、あわせて検討できます。工場・事業所であれば、エネルギー診断で使用状況を把握し、運用改善や高効率設備への更新を進める方法があります。建物側の熱負荷を下げる対策としては、屋根に塗るタイプと窓ガラスに貼るタイプがある放射冷却素材ラディクールが挙げられます。

    燃料の見直しまで含めると、脱炭素に向けた選択肢はさらに広がります。出光リニューアブルディーゼル(IRD)や出光カーボンオフセットfuel(ICOF)といった環境対応燃料を含め、ワンストップサポートを通じて、再エネ電力の調達から関連する脱炭素対策まで一連で相談できます。

    よくある質問

    Q. 非化石証書とは何ですか?

    A. 化石燃料を使わずに発電されたことによる環境価値を、証書の形にして取引できるようにしたものです。電気そのものは通常の電力市場などで売られ、その電気が持つ非化石価値だけが証書として取引されます。

    Q. 「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」はどう違いますか?

    A. いずれも再エネ指定の非化石証書を使用したプランで、電源構成がすべて再生可能エネルギー電気(FIT電気を含む)であれば「再生可能エネルギー」、再生可能エネルギー電気以外が含まれる場合は「実質再生可能エネルギー」と表記されます。

    Q. どのエリアでも切り替えられますか?

    A. 出光でんきの供給エリアであれば切り替えが可能です。沖縄電力エリアおよび離島は供給の対象外です。

    Q. どのような施設が対象になりますか?

    A. オフィスビルや工場、病院などの大・中規模施設が対象です。高圧は主に契約電力50kW超2,000kW未満、特別高圧は主に2,000kW以上の施設で利用されています。

    Q. 調達したことを証明する書類はありますか?

    A. 出光CO2フリー電力では『再生可能エネルギー100%電力供給証明書』を発行しています。環境報告や取引先への説明に使う予定がある場合は、発行の有無を確認しておくと確実です。

    まとめ

    再エネ電力の調達では、電気そのものと環境価値が別々に取引されている点を押さえておくことが出発点になります。需要家に届く電気そのものからは再エネ由来かどうかを判別できないため、非化石証書を通じて環境価値を調達する仕組みが用いられています。

    プランを選ぶときは、「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」のどちらの表示が必要かを先に決め、証明書の有無とあわせて確認します。出光エナジーソリューションズの出光CO2フリー電力は、オフィスビルや工場、病院などの大・中規模施設を対象とした特別高圧・高圧プランで、調達した電力を示す証明書も発行されています。

    この記事のまとめ

    • ✓届く電気は再エネ由来かどうかを示せないため、環境価値を切り出して調達する仕組みが必要になる
    • ✓非化石証書には再エネ指定という区分があり、2018年度から市場で取引されている
    • ✓「再生可能エネルギー」と「実質再生可能エネルギー」は、電源構成の内訳によって表示が分かれる
    • ✓出光CO2フリー電力は大・中規模施設向けの特別高圧・高圧プランで、証明書も発行される
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